農薬登録されている除草剤の使用方法や注意事項が守られなかった場合、農薬取締法に抵触する可能性があるようです。実際にどれだけ適用された事例があるのかは調べていませんが、使用される方はご注意ください。
農薬登録のある主なグリホサート系除草剤
ラウンドアップマックスロード(ALシリーズは無登録)
サンフーロン
グリホエースpro(グリホエースは無登録)
ハイ-フウノン
草退治シャワー
など
メイクマンでも売られている「はやきき」「虫よけ除草王」などは無登録です。
以下はグリホサート系除草剤に共通する使用方法、注意事項です。
・散布時は葉が茂った状態であること、生育盛期
・散布前に刈り取らない
・雨の予報がないこと
・風の無いとき
・ペットや子供、第三者が入る可能性のある場所は散布中、散布当日は立入禁止にすること
というのも、日本政府が農薬の安全性などに関して最も信頼を寄せている団体、農薬工業会のサイトにこうありました。
農薬工業会 教えて!農薬Q&Aよりコピペ
■ 農薬使用基準の遵守を罰則付きで義務化
農薬を定められた方法で適正に使用することは、農作物を病害虫・雑草から守ることだけではなく、人の健康や環境への安全を守るためにも非常に重要です。そうしたことから農薬使用者が遵守しなければならない責務や、取り組むように努める事項について法律※1で定められている決まりがあります。これらは「農薬使用基準」と呼ばれています。なお、この基準に対して違反があった場合には、罰則※2が定められています。
農薬の使用においては、ラベルに記載されている事項を遵守することが基本中の基本です。
~ 以下略 ~
※1「農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令」/農林水産省・環境省令第5号(農薬取締法、第12条第1項、「農薬の使用の規制」に基づく)、
※2 農薬取締法(第47条、「罰則」):「違反した者(第12条第3項)は、3年以下の懲役若しくは、百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(第50条)法人に関しては1億円以下の罰金に処す
使用方法や注意事項を守るのは当たり前すぎて、見落としていました。
いままで沖縄県内の個人~行政の行ってきた、子供やペット、散布関係者以外の通る公道などでのグリホサート系除草剤の散布は全て違法になるのではないでしょうか?というか日本中でそうかもしれません。
「散布しました。立ち入らないこと。」のようなチラシがぶら下がっているのは見たことがありますが、ロープなどを使った立入禁止措置を見たことがないです。風の強い時、降雨の予想がある時、刈り取ってから散布しているケースすらあります。
トップ画像のオリジナルの構図です。「除草剤をかけています。草地には、入らないでください。」と書いてありますが、とても慎まやかな風情で何だかわかりません。
ここは歩道ではない部分ですが、これでは散布区域に入ってチラシを広げないと読めませんし、子供が入らないような措置には見えません。折れて見えないと小学生くらいの男子なら興味をもって入ってしまうことすら考えられます。しかも散布から何週間も経っていますし、刈り取ってからラウンドアップをかけたようです。もし違法とされるなら「法人に関しては1億円以下の罰金に処す」です。
今まで、除草剤散布に関して「住宅地等における農薬使用について」や「除草剤安全使用マニュアル」には何の罰則もなく、除草剤散布はマナーしかないと思い込んでいましたが、このような立入禁止措置と刈り取ってからの散布は正しい使用方法ではないと思われ法律違反になるのではないでしょうか?
だからと言って除草剤が安全になったわけでも、散布の安全性が確保されたわけでもなく、むしろそれだけ厳しく罰せられるほど危険なモノなので、「住宅地等・・」や「マニュアル」の違反にも罰則がついて然りだと思います。
除草剤愛好家の皆様には居心地の悪い話をしましたが、農薬工業会という大手のサイトで見つけたとはいえ、本当に法律違反として追求できるのか詳しい方是非教えてください。どこかにアップしてください。
ここから先は単なる登録農薬の安全性に対する私見なので、これといって価値のある内容ではございません、ご了承ください。
登録と無登録の違いは農林水産大臣の承諾を受けたかどうかです。ネットなどで「除草剤に危険性はないのか?」という問いに対して、「登録を受けている除草剤なら安全です」という回答が多い気がします。もちろん登録するのにお金が掛かるでしょうから、無登録と差別化する必要がありますが、「無登録の製品と成分が同じだったとしても、こちらは登録農薬だから安全」とネットで見かけることもあり、、なんだか釈然としません。
「無登録でも安全」なのか?
「登録でも安全ではない」のか?
それぞれの判断に委ねられることになりますが、個人的に安全と思えない理由を書かせていただきます。
1.企業秘密などで表示にない化学物質が入っています
2.農薬の毒性評価は主成分のみ、製品の毒性ではありません。
この2つは何度も書いてきました。
最近見つけたのですが、グリホサート系除草剤では厚生労働省も主剤よりも補助剤として使われている界面活性剤の方が毒性が高いと言っています。
3.経済>健康
農薬が生産量やコストに関して高い効果がある場合は 生産コスト(=価格)vs安全性 との間で調整が必要になります。当たり前のことですが消費者は同じ野菜なら値段の安い方を選びます、そもそも肉やスイーツと比べたら野菜なんかにお金をかけていられないという方もいるでしょう。単純な言い換えですが、多くの国民が 家計vs健康リスク を考えて野菜を選んだ結果が、今の農薬の基準値になっている所もあると思います。高かったら買わないのです。
そこで気になるのは情報がどれだけアナウンスされているかです。例えば除草剤を調べると「日本の基準にあっているから安全です」の一辺倒に感じます。「どれくらい危険なの?」という質問に対してさえ「法律で認められているから安全です」と回答になっていない説明も沢山あります。質問者もその回答に満足していたりすると、なんだか農薬メーカーのQ&Aのようだなぁ、、と感じてしまうのです。
もちろん企業は売れなかったら困るので「危険です!」とは書かないのはプロとして当然です。株主に叱られてしまいます。
つまり、安全性よりも経済優先の考え方が、この日本の企業・政府・民意のスタンダードとなっていると思います。今の感染症の対応も 医療vs経済 のような様相になっていますが、政治献金で言うと日本医師会は2億円だった気がします、対して経済団体や企業からの献金総額は桁違いでしょう。トヨタと住友化学だけで1億円です。
医療現場で何が起ころうと経済団体の言うことを聞かざるを得ない政府の決断は当然とも言えます。文句があるなら私が毎年1000億円くらい献金すれば皆言うことを聞いてくれるでしょうが、、。
冗談はさておき、つまるところ「生産性が高ければ(=儲かるなら)安全」としているように感じてしまうのです。これは基準値の緩和も同じで政府に対して発言力のある企業や宗主国の熱烈なリクエストの結果であり、商売である以上利益を損なうようなことは言わないので、「登録農薬だから安全」「基準値以下だから安全」とアナウンスされても今一つ信用する気になれません。
4.化学物質に対する抵抗力
あなたはお酒に強いですか?と聞かれれば、大抵の人は答えられます。ではグリホサートに強いですか?と言われて答えられる人は誰もいません。
いくら安全性を謳われても、「私」にとってどれだけ安全なのかは解りようがありません。もちろん急性毒性に関しては実験もしやすいので、確率的に安全性はかなり高いですが、慢性毒性や複合毒性に関しては、忙しくて複雑なこの国ではいちいち大金を投入して長期的に検査して確認するわけにもいかず、「凡そ安全と思われるレベル」で基準値を設けているに過ぎません。
慢性的に不調がある場合、全て農薬のせいだとは言いませんが、食生活、住環境などに当たり前に存在する様々な化学物質による影響は少なからずあると思います。
5.日本の自己責任論
「そもそも気をつけなかった本人のせいだ」という考え方が日本ではとても強いです。以前「生活困窮者を国が助ける必要はない?」というアンケートを見たことがあります、確か湯浅誠の著書か新聞記事だったと思います。結果は日本が断トツ1位でした。
最近では 「コロナ感染は自業自得」日本は11%、米英の10倍 (読売新聞のサイト)を読むと、改めて日本の自己責任大国っぷりを感じます。
気を付けるかどうかは本人の責任です。ほとんどの人は値段は気にしても、農薬や化学物質のことは調べもしません、メーカーも「危険だ」なんて言いません。結果「安くなきゃ売れないんだから、もし毒だとしても基準値以下だし、あとは買う奴の自己責任だ」となってしまうのは当然です。基準値や危険性も気にしないまま「安いは正義」となってしまう民意にも責任があると思います。
農薬、食品添加物、可塑剤、有機溶剤、医薬品、化粧品、排気ガスなどの大気汚染、、、個別では基準値内だったとしても、そういった化学物質に日々囲まれて生活した結果、原因不明の病気になってしまっても、周りは「アレが~コレが~悪かったのでは?」と無責任に心配してくれるだけです。今更悪かったことなど反省させられてもどうにもなりません。
大抵の場合「安いは正義100%」ではなく、「そうはいっても無農薬は高いから」という理由でリスクを背負った安い野菜に走らざるを得ない状況だと思います。しかしお菓子やジュース、コンビニパンは買っていたりするので、そこから変えて頂いたら良いと言いたいですが、、こんな説明ではお菓子の魅力には勝てないのは当然です。もっと多くの方面から、更に伝わりやすい方法などを考えてゆかなければならないと感じています。
タイトルから外れてゴチャゴチャ書いてしまい読みにくくなってしまいました、申し訳ございません。
除草剤散布でも法律違反を追求できるなら心強いと思いますので、今後注意して見ていきたいと思います。
参考
PDF 厚労省 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部
(国立医薬品食品衛生研究所は日本の厚生労働省の施設等機関の一つ)
グリホサートの健康リスク評価に関するFAQ
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201526ca.pdf