今年の出来事 2021

やまさに

2021年12月24日 13:01



今年ご紹介しようと思いつつ記事にしきれなかった出来事を書かせていただきます。もちろん農薬関連です。主に有機農業ニュースクリップのグリホサート関連年表から拾っています。
グリホサート関連年表
http://organic-newsclip.info/nouyaku/glyphosate-table.html
ネオニコチノイド農薬関連年表というのもあります
http://organic-newsclip.info/nouyaku/neonico-table.html


ホームセンターの除草剤売り場でペンキ事件
フランス・アリエージュ県の裁判所は、ホームセンターで販売されていたグリホサートを含む農薬のボトルにペンキをかけた21人の被告に、農薬の危険性と比べて妥当であり公衆衛生を守るのに必要な行動として無罪の判決
グリホサート関連年表のリンク先の記事を右クリックで翻訳して読んでみると、ペンキを使う前に売り場を汚さぬよう床などをシートで養生したようで、無関係の人や物に被害を与えなかった気遣いが良いですね。そして無罪です。日本でそんなことしたらもちろん有罪ですが、そのあと不慮の事故で死んでしまいそうですね。

ネオニコチノイドについての報道番組
10月のTBSのニュース番組でネオニコが取り上げられました。
youtubeにアップされていますのでご紹介します。(約20分)
https://www.youtube.com/watch?v=0J1T-MO3t5U

ネオニコ7種類中6種類は日本のメーカーが開発し宍道湖周辺では92年から使用されたそうです。被害が出てから約30年経ってからの報道です。
EUは「疑わしきは規制や禁止を」という予防原則の立場なので使用禁止のネオニコもあります。日本発の農薬ゆえ国内で報道されることはないと思っていました。
使用翌年から生き物が激減するとはものすごい毒性ですね、人間だったらコロナどころではありません。おそらく被害は宍道湖だけではないでしょう。
でもこの国では科学的に証明できなければ、証拠さえつかまれなければ、どんなに黒に近くても白です。
動画には、このブログでも度々論文を紹介させていただいている木村黒田純子先生も出演されています。ぜひご覧ください。

番組内で紹介されていた論文のグーグル翻訳のリンクも載せておきます。しかし機械の翻訳ですし、専門用語も出てくるので、私のような素人にはあまり参考になりませんでした。
https://pubmed-ncbi-nlm-nih-gov.translate.goog/22393406/?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=nui,sc

今回のTBSの報道について日刊ゲンダイが扱っているのを見つけたので、そちらも載せておきます。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/298148

アジア太平洋資料センター(通称PARC:パルク)がドキュメンタリー作品のクラウドファンディングに成功
https://motion-gallery.net/projects/parc2021
子どもをネオニコから守ろう!
ネオニコチノイド系農薬の人体への影響を検証するドキュメンタリーの制作
100万円の目標で120万円集まったそうです。
完成予定は2022年2月だそうで楽しみです。
ネオニコについてはまだまだ問題視されそうなので、除草剤ではないですがこれからも追っていきたいと思います。
記事末にネオニコ薬剤について少しデータを載せておきます。

5月12日 農林水産省「みどりの食料システム戦略~食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現~」を策定
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html
耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を25%(100万ha)に拡大
とあり、たまには良いこと言うなぁと思っていましたが、、、やっぱり毒が入っていました。
ゲノム編集作物を有機認証したいそうです。
詳しくは山田正彦ブログ5月の記事「大変なことが起ころうとしています」をご覧ください。
https://ameblo.jp/yamada-masahiko/entry-12673868441.html

国会でグリホサート言及
4月14日 日本共産党 田村貴昭議員がグリホサートと補助剤、毒性評価、慢性毒性などについて言及しています。
https://www.youtube.com/watch?v=PXLOAZC8QSU
ちなみに界面活性剤POEAに関しては現在のラウンドアップには使用されていないようで界面活性剤としか表記がなく、危険性も安全性もわからなくなっています。
グリホサートもやっとここまで話題にされるようになりました。しかし話題になっただけ、、という感じで農林水産省の回答も、早く帰りたくて仕方ないような早口で、声に張りもなく全く頼りになりません、定年後の天下りなど人生設計を考えたらノラリクラリの頑張りどころなのでしょうか、、。
こういう人たちが国民の健康を握っているんですね。
残念ながら今の段階では自分で気を付けるしかなさそうです。

輸入蜂蜜のグリホサート問題
昨年から輸入蜂蜜の残留グリホサートが問題になっていて、ネット上でも蜂蜜から発がん性物質!といった記事や動画も沢山ありますが、中にはグリホサート擁護のものもあります。
確かにグリホサート単体の急性毒性はそれほど高くないかもしれませんし、蜂蜜を毎日大量に食べる人もそれほどいないと思いますので、基準値越えの蜂蜜で急に癌が増えたり食品事故が起きることはないと思います。
だからといって「安心ですね」とは決して言えないのは、この国の一日許容摂取量や基準値は甘いですし、化学物質に対する個人差は大きいうえ個人が自分の耐性を知る機会はありません。まだまだグリホサートの毒性や相乗効果など解明されていません、、正確には「学者はいろいろ報告していますが政府は解明しようとしません」です。
またグリホサートには環境ホルモン作用もあるとされるので急性毒性とは全く別です。
環境ホルモン作用は摂取量に関係なく影響することがあったり、慢性的な摂取で高い危険性があります、記憶に間違いがなければ書籍「メス化する自然」に書いてあった気がします。
古い本ですが、現在も状況は悪化の一図を辿っていると思われるので、今でも読む価値は十分にあると思います。

それでもグリホサートを擁護したい方もたくさんいらっしゃると思いますが、メーカーも毒性を認めていますし、バイエル社は「今後10年で50億ユーロ使ってグリホサートに代わる除草剤を開発する(2019年発表)」と言っています。そんなに擁護するほど美味しい話でもないので頑張らなくても良いのでは、、と思いますが、、どうでしょうか、、。

お話を戻しますと
今回の蜂蜜の残留グリホサート問題は、隠ぺいする企業体質と日本の基準値がどれだけ危険なものかが証明された出来事だと思います。
加藤美蜂本舗(サクラ印)の10月7日のプレスリリースによると、「問題は基準値が厳しいせいなので、業界を挙げて緩和を求めている」とあり実際にパブコメが出され緩和案はそのまま通過したようです。このパブコメ気づいた方いらっしゃいますか?こうしてほとんどの国民が知らないうちに緩和は進んでいきます。
しかも隠ぺいし続けたことには触れていません。

普通に考えて産地に改善を要求すべきところを基準値を変えてしまえば良い、しかもそれを堂々と発表するという、企業としてあるまじき態度こそもっとも危険だと言えます。
今回の蜂蜜の件で初めてグリホサートなど農薬について興味を持たれた方には特に知っておいていただきたいのは、この国の農薬の安全性は政治や経済的な理由により「けっこー荒っぽく決められている」ことです。酷い話です。
過去記事でも柑橘類の規制緩和について触れていますので、興味のある方はご覧ください。
アゾキシストロビンなどのパブリックコメントのお知らせ
https://josouzaigoenryokudasai.ti-da.net/e11728198.html

加藤美蜂本舗の企業理念を見てみますと顧客ニーズにフレキブルに対応し、チャレンジ精神を持ってお客様の信頼に応えます。
とありますが、本当は
利益の追求にフレキシブルに対応し、国の基準さえも緩和させるチャレンジ精神をもって加藤一族の繁栄を目指します
の間違いではないのでしょうか、、

基準値を緩和することがこの国では安全性と言うようです。
良かったですね、また一つ安全性が高まって、、、安全大国日本です。
と、、腹いせにイヤミの一つ二つ書きたくなります。

養蜂をされている方は周辺およそ2,3キロ圏内では除草剤を使わせないよう気を付けてください。やんばるの森でも養蜂箱を見かけます、やんばるの国県道であれば北部土木事務所、営農支援課に相談しましょう。その他土地、畑や村道ならば営農支援課や地元の公民館になると思います。養蜂家にとっては死活問題ですので重く受け止めてもらわなければなりません。
付近にシークヮーサーの果樹園がある場合はネオニコチノイド系農薬が使用されている可能性も高いので気を付けてください、
グリホサートとネオニコについては書籍「本当は危ない国産食品(奥野修司)」に詳しく書いてありますので興味のある方は是非図書館などを利用して読んでみてください。

厚生労働省 パブリックコメント結果
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCM1040&id=495210202&Mode=1

ヤフーニュース 国産蜂蜜から発がん性疑惑の農薬を検出
https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20211207-00271626

youtube動画 ゆっくり解説 基準値5倍超の発がん性農薬を隠蔽?!ヤバすぎるサクラ印のハチミツの闇
https://www.youtube.com/watch?v=TgeBMb1ZEcw
触れられている事実の裏は私はとっていませんし、自動音声の棒読みですが、いろいろある中、私の言いたいことに近かったので紹介させていただきました。
余談ですが自動音声の動画は聞き取りやすく字幕もあるので、私は好きです。


今回はダイジェスト的に書きたかったのですが、余計なイヤミなど書いているせいで長くなってしまいました、読みづらくなってしまい申し訳ございません。
しかし、これからの時代、利益追求だけでなくSDGsやESGなど企業イメージも株価を左右するファクターになってきているので、企業や行政も国民の信頼を損なうことのないよう、誠実な対応をしていただきたいです。

今回の画像は農薬と言ったらミツバチです。アダンの花に群がるミツバチ、直球そのままです。244号線の草刈り中に怖いほど羽音を響かせていました。

参考
ネオニコチノイド系農薬について
7種類+5種類(新タイプ)

劇物 イミダクロプリド 日本特殊農薬製造株式会社
1985登録(日本)
2018EU屋外使用禁止

普通物 クロチアニジン 武田薬品工業
1988登録(日本)
2018EU屋外使用禁止

普通物 チアメトキサム シンジェンタ
2000登録(日本)
2018EU屋外使用禁止

普通物 ジノテフラン 三井化学株式会社
2002登録(日本)
EU未承認

普通物 ニテンピラム 武田薬品工業
1995登録(日本)
EU未承認

劇物 アセタミプリド 日本曹達
1995登録(日本)

劇物 チアクロプリド 日本バイエルアグロケア
2001登録(日本)
2020EU登録失効

ネオニコチノイド農薬:各国の規制状況
http://www.organic-newsclip.info/nouyaku/regulation-neonico-table.html


新タイプの5種類はアセチルコリン受容体をマヒさせるようです。
普通物 スルホキサフロル ダウアグロサイエンス
普通物 フルピラジフロン バイエルクロップサイエンス
普通物 トリフルメゾピリム デュポン(現コルティバアグロサイエンス) 
普通物 フルピリミン MeijiSeikaファルマ
劇物 フィプロニル ローヌ・プーラン(バイエル傘下)

ど素人の私にはよくわからないのですが、仕組み的にはジョロウグモの毒、JSTXと似ているのでしょうか、、受容体ブロッカーとかそんなのを読んだことがあります。確か「一寸の虫にも十分の毒(川合 述史)という本だった気がします。
どの薬剤も今後さらなる緩和が考えられますのでパブコメなど注意してみていきたいと思います。

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