個人的な印象を含めた記録なので情報の精度はイマイチかもしれません、ご了承ください。
場所:本部町
初鳴き 9・29
居つきA 10・12~3・21 2羽。親子?
居つきB 11・19~1・27 単独、怖がらない、狩りも上手。
・居つきAについて
10月12日
10月初旬からときどきサシバを見かけましたが、この段階ではどの個体かは分かりませんでした。12日からは連日朝夕だけ鳴きあっている状態が続いていたので、この付近を縄張りと決めたようです。1羽はまだ縦縞が少し残っている若鳥だったので親子だと思います。電柱には留まらず、木の枝の中から様子を伺っている感じでした。
道路を挟んだ隣のエリアが主でこちらに来ることははほとんどありませんでした。
2月頃
居つきBが縄張りを放棄してしまった後、こちらの電柱にも時々姿を現すようになりましたが、もうほとんどバッタが残っておらず、一度だけしか狩りしている姿を見ることができませんでした。
渡りの判断はこの居つきAの鳴き声だけが頼りになりました。
3月半ば
居つきAのいる隣のエリアから鳴きあっている声が頻繁に聞こえてきて、上空を旋回している姿も見ました。もう飛び立ちたい様子ですが、風はまだ北寄りです。
3月17日に南風が吹いたのでこの時に飛び立ったかと思いましたが、3月21日の朝まで隣のエリアから鳴き声が聞こえてきました。
<気象庁のデータ>
日付 最大風速
3/17 晴 6.7 南東
3/18 雨 11.8 南
3/19 曇 7.5 北北西
3/20 曇 5.5 北北東
3/21 曇 7.8 南
3/22 雨 9.6 南
恐らく3月21日に渡りを開始したと思われます。
そのあと、3月29日に上空かなり高いところをサシバと思われる鳥が4羽、東方向に飛んでいくのを見ました。
・居つきBについて
11月19日~1月
シーズン初めはすぐ近くで夜を越していたようで早朝から電柱にいました。
人間の存在には慣れているようで、人間の姿が見えても自動車が止まっていても盛んに狩りをしていました。
一度は、玄関のドアのすぐ近くの電柱に留まっているのを知らずに、私がドアを開けてしまい慌ててドアを閉めた時、一瞬たじろいでも、少し様子を見て判断しているようで、室内からそっと確認したらまだ電柱にいました。びっくりしました。
しかし、ストレスは感じているようで、少しの間バッタを探した後、飛んで行ってしまいました。
人に慣れている個体だからと判断して、たかがブログに載せるための写真など撮るべきではないと思いました、野鳥の写真などネット上に溢れているのでこれ以上必要ありません。タカは800m先のトンボが見えると聞いたことがあるので、どこにいてもレンズを構えている人間には気づいているはずで、逃げないのは、それ以上安全な場所がなくストレスを我慢しているのでしょう。
狩りはかなり上手で、高いところからスピードと高さを調整しながら、ドロップキックのようにススキごと倒したり、フクギの枝の中に飛び込んで狩りをしているところを見ることができました。もしかしたらメジロかシロガシラを襲ったのかもしれません。
そして、これは初めて見たのですが、電柱に留まった後、すぐに飛び立ち5,6秒かけて鳴きながら旋回してまた止まる、、という行動を見ました。まるで縄張りを宣言しているかのようでした。
1月
昨年のナーバスな個体と違ってサービス満点ですが、懸念していた事が起こりました。エサ不足です。
正月明けの頃から狩りをしようと電柱からバッタを探しているのですが、狩りはできていない様子です。滞在時間が徐々に短くなり、1月末の寒い日を境に全く姿を見なくなりました。縄張りを放棄したようです。
2月
とても用心深い若い個体が時々電柱に留まっていましたが、羽を休めている様子でした。恐らく隣のエリアにいた居つきAの若鳥だと思います。
2月24日・3月15日
居つきB?と思われる個体が来ました。
躊躇なくいきなりウチの目の前の電柱に留まって狩りをしようとしていたので、この場所を知っている居つきBだと思います。しかし数分後には居なくなってしまいました。
一度放棄した場所にも狩りをしに来たのだとしたら、他でも獲物がいないのでしょうか、、心配です。
姿を確認したのはこれが最後でした。
雑感
今シーズンは10月頃に、草丈の低いエリアと高いエリアと分けて高刈りしてみました。草丈が低い方が狩りがしやすいと思ったのですが、草丈の高い方でよく狩りをしていました。これは獲りやすさより、単にバッタが沢山いた、、というだけかもしれません。
今年の個体はサービス満点で、シーズン初めからメインの狩場として、上手に狩りをする姿を沢山見せてくれました。
大抵はストンと地面に降りて獲物をついばんで飛び去るだけですが、狩りの仕方には個性があり、狩りに慣れていないサシバは少しでも地面に近い所から狩りをしたがったり、今年のように上手なサシバは、横っ飛びでダイナミックな狩りをしたり、落ち葉のようにフワリと螺旋状に旋回して電柱の真下に降りたりします。
留まる場所にも個性があり、用心深い個体ほど木の中のほうに隠れるように留まります。こちらからすると、目立つところに留まってくれた方が発見しやすく、なるべく家から出ないようにして協力できるのですが、、、。
そして何より一番気になったのは、エサ不足による縄張りの放棄です。
ウチの周りのカロリーだけでは越冬できないことがよく解りました。
昨年のサシバが、3月からメインの狩場として飛来したのは、別の場所でのエサ不足によるものかもしれません。もしかしたらシーミーに向けて3月頃に除草剤を撒くのでその影響かもしれません。
もう少しバッタが増えてくれたら良いのですが、昆虫類だけでは鉄分が足りなそうなので、出来れば赤い血をしたもの、マニアックな表現ですが、ヘモシアニン(銅)でなく、ヘモグロビン(鉄)が流れている生き物、両生類や爬虫類、哺乳類、、例えばネズミやシロアゴガエル、マングースなら居るのでジャンジャン食べて欲しいですが、人のお墓にビオトープを作るわけにいきません、、、。
ミミズはヘモグロビンではなくエリスロクルオリンですが鉄分が入っているので、鉄分補給になりそうな気がします。
サシバがミミズを食べているところを見たことはないのですが、ヒナのころ親に与えられていると思うので食べる気がします、ミミズが増えればサシバがミミズを狩るのかも確認できるかもしれません。
この辺りはウチ以外は除草剤散布履歴がある場所なので、ミミズが増えたり土壌菌が活発になれば、除草剤に含まれる企業秘密の化学物質はさておき、少なくともグリホサートの分解は早まりますし、雑草対策にもなり、悪いことはなさそうです。
次の飛来まで半年しかないですが、お墓でない場所にガラを積んでおけば増えるかもしれないので、試してみようと思います。
以下は例年の傾向です。昨年の「サシバ 2020~2021越冬」と同じ内容です。
<例年の傾向>
9月末から10月初旬に本部町で初鳴きを聞きますが、海の方を鳴きながら通過するだけなのか、居つくのはもう少し後のようです。しばらく近隣を飛び回ったり高い電柱に止まって付近の様子をうかがい、落ち着いて狩りのできそうな場所を探しているように見えます。
狩り場はいくつかあるようで、というか、1カ所ではカロリーも足りなそうですし、人も通るので一定の圏内で条件の良い順にローテーションしているのではないでしょうか。
主なエサはバッタのようです、一度ネズミを咥えているのを見たことがあります。
3月になる頃には渡りを意識するのか、人の姿が多少見えてもリスクをとって狩りに集中します。暖かい日にしきりに鳴き合いをします。まるで「もういいかい」「まだだよ」と渡りの日どりを確認しているかのようにも聞こえます。
3月20日前後、南風4,5mくらい吹く日を境にパッタリいなくなります。翌日が雨の予報で曇って湿気の高い日でも飛び立つようなので、”高度を上げて一気に”というわけではなく、恐らく伊是名島や与論島など近隣の島を細かく移動して天候を見ながら少しずつ渡っていくのではないかと思います。
この頃を境にシロガシラやウグイスなど小鳥たちが急に元気を取り戻したかのように騒がしくなります。