名護東道路延伸 その3.自然は金の延べ棒 おしまいに

名護東道路延伸 その0.経済競争の激化と子々孫々続くリスクとコスト
名護東道路延伸 その1.お金は落ちてこない
名護東道路延伸 その2.環境の劣化、災害リスク
名護東道路延伸 その3.自然は金の延べ棒 おしまいに

名護東道路延伸 その3.自然は金の延べ棒 おしまいに


セッカはとても小さな野鳥でススキ原などに生息しており、春から夏にかけてヒッヒッヒ、チャチャッチャチャッと特徴的なさえずりをするのでご存じの方も多いと思います。
蜘蛛の糸を縫い付けて巣作りをするので、蜘蛛の糸を扱うセンスは人間以上だと思います。蜘蛛の糸は強度が高くナイロンの2倍の柔軟性、鋼鉄の5倍の強度、もし1センチの太さの糸で蜘蛛の巣を作ったらジェット機を捕獲できるほどで、夢の素材と言われています。この裁縫のスペシャリストから学ぶべきことは沢山ありそうですが、ヒトはそんなことも知らずに無邪気にニンゲン帝国づくりに夢中で、今となってはセッカは全国的に数が減少してしまい、秋田県、山形県、長野県では既に絶滅寸前だそうです。本部町でもこの5,6年で急に減ったと感じます。

・自然は金の延べ棒
内地の人は知っているけど沖縄県の人が知らない沖縄のことがあります。
もし内地に行ったなら、旅行会社のパンフレットを見てください、沖縄旅行のパンフには100%、青く美しい海が掲載されていて、旅行に来る人はアレが当たり前だと思って沖縄に訪れているということです。
美しい青い海や広い空を求めて何十万もかけて家族旅行に来たりするのです。

「海が青いだけじゃカネにならんさぁ」という沖縄の海や自然の価値を知らない人からしたら、内地の人はお金持ちで無駄遣いのために来ていると思うかもしれません。
しかし実際は沖縄県以上に厳しい生存競争の疲れを癒すため、何十万かけたって訪れたい海があるのです。いま世界中で経済発展のために自然資源の破壊が行われていて、そのスピードは既に地球の再生能力を超えてしまっています。
青い海を持ってるだけでカネになる時代です、まさに自然こそ金の延べ棒です。

ちなみに金の延べ棒がどれほどのものか、このところ金価格がニュースにもなりますので、参考までに価格推移を見てみましょう。1グラム=円(田中貴金属店頭小売価格)

2000年1月5日 1031円
2010年1月5日 3531円
2020年1月6日 6014円

現在2024年6月28日 13263円 

2000年に買った人はもうすぐ13倍です、うらやましい限りです。
金の延べ棒=1kg買った人は100万円が1300万円です(ざっくりです)
24年の間、何をしたか?ただ持っていただけです。
最近は投機資金も流入しているようで値動きが荒く、安全資産と呼ぶには微妙かもしれませんが、もう1000円台に戻ることはないでしょう。

本部の自然は町民が既に持っている金の延べ棒です。維持しているだけで時代とともに価格が上がっています。
気づかないかもしれませんが、奇麗な海や空気は森で作られています、知識がある人なら野草を獲って食べることもできます、様々な昆虫が農作物の受粉をタダでやってくれます。庭で知らないうちにパパイヤが育って実を付けてくれるのも鳥や虫たちがいるお陰です。何より、きれいな海を求めて沢山の人が訪れます。
その他にも、当たり前で気づくことは難しいかもしれませんが、自然はいろいろと役に立ってくれています、それが利息だと考えても良いかもしれません。
金の延べ棒には利息がないので、自然はそれ以上のポテンシャルがあります。そういったものと共生していければ、それを利息生活者と言うのではないでしょうか、、ワクワクする響きです、憧れます。

その自然という資産を切り崩して、ひとたび道路を作ってしまったら最後、元本の保証もなければ、換金もできません。要らなくなっても壊れても元の形に戻す技術はなく、維持費はかかり続けるリスク資産です。
観光と一時的な建設という限定的、かつ、本部町民にお金が落ちる可能性が少ない表面的な経済発展のために、未来永劫コストとリスクの降りかかる道路など通している場合ではないと思います、今ある資産を無駄遣いせずに運用方法をよく考えるべきではないかと思います。
よく考えもせず慌てて飛びついて失敗する人のことをこう言います。

「飛びつく魚は釣られる」

なんかアンケートが来たけど、、分からないから関係ないと無視すれば事態は必ず悪い方に向かうでしょう。無関心は中立でも公平でもなく隷属です。
もちろん、このアンケートは「民意を問うた」というアリバイ作りの為かもしれないし、「必要ない」と書くだけでなくなる話でもありません。

しかし、あとあと後悔しないためにも、できるだけの事はしておいた方がよいかと思います
それぞれの立場からいろいろな懸念やリスクがあるかと思います、結果的に道路が建設されたとしても、本部町に住んでいない人たちがメリットばかり考えて設計したプランよりも、地元のリスクなどを考慮して作られた方がマシなものができるはずですので、ひとたび作ってしまったら損切りもできない道路建設のリスクについて考えてアンケートを提出していただけたらと思います。

・おしまいに
これはごく個人的な主観での話ですが、、
今から60年近く前の出来事だと読んだ気がしますが、返還前の基地拡張にあたり辺野古か本部かと選定案がありその結果辺野古になったそうです。
それを考えて、この数年の動きを見ていると、

・本部港の米軍使用(阻止されました)、自衛隊電子戦部隊による八重岳の軍事訓練(桜を損壊して中止)など、本部町では軍事的な動きが活発です。
・八重岳通信所を電子戦実験基地としてリニューアルオープンするという噂もあります。
・大型クルーズ船も着岸できる本部港は軍港としても使えます。
・塩川や安和の採石所も地中深く採石したあと、廃棄物の処分場にして、最後は整地して土地の有効利用ができるという、一石三鳥の自然破壊ですが、軍事的にも利用しやすそうです。
・今回の名護東道路延長はだいぶ大きなもののようで、軍用車両も通行しやすく、やろうと思えば軍用機の離着陸にも利用できそうな気がします。
・もし今回の道路で海の水質が悪くなり、美ら海水族館の経営状態が悪くなろうものなら、謝花の新道は桃原の飛行場跡地へのアクセスも良いので、飛行場跡地も軍事施設にするのがもっとも有効な使い道となってしまうでしょう。
これだけ軍事的なポテンシャルが高ければ、何十年先かわかりませんが、本部町は国防最前線の町になってしまうのではないかと心配になります。

そんなの町民が許すはずがない!と言ってみても、「軍備拡張のために道を作ります」なら反対の声が上がりますが、現実は観光など経済発展の名の下、全ての準備が整ったあと、自然という町の資源が貧弱になり十分追い詰められた挙句そういう話になるのですから、町民の意見は割れ、確実に手遅れになると思います。官僚は東大出ているので頭良いです。

もちろんこれは大げさな話ですが、この10年20年の政治や経済の動向を見ていると、本島も軍事要塞化に向けて一歩ずつ歩みを進めているように感じて、どうにも経済発展という言葉の先に明るいビジョンを見ることができないでいます。



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