名護東道路延伸 その1.お金は落ちてこない

名護東道路延伸 その0.経済競争の激化と子々孫々続くリスクとコスト
名護東道路延伸 その1.お金は落ちてこない
名護東道路延伸 その2.環境の劣化、災害リスク
名護東道路延伸 その3.自然は金の延べ棒 おしまいに
名護東道路延伸 その1.お金は落ちてこない


画像は、だいぶ前に撮った本部カルスト遊歩道の除草剤写真ですが、いったい誰が座るのでしょうか、経済発展とは、整地して人工物を作って除草剤を撒くことのようです。
「経済発展の為なら幸せなどいらない」と言わんばかりです。

・建設工事で町の経済が潤う?
まず道路を作るためには工事が必要です。「政府とのパイプ役」とか言って公共事業で税金を引っ張ってくれば、政治家は評価される時代もありましたが、今は引っ張ってきた税金が町の中で回ることはありません。
建設業に従事される方のお給料はサンエー(宜野湾)、かねひで(西原)、ビッグ(千葉県)等チェーン店にほとんど流れていきます。ネットショッピングで国外に流れるお金もたくさんあると思います。
トリクルダウンなんて言葉を今の若い人は知らないのではないでしょうか、、。
今となっては、公共事業はむしろ大企業の政治献金などが公共事業という形で税金という獲物を仕留めて、再び大企業に戻ってくるブーメランのような効率の良いビジネスでしかありません。結局、本部町には下請けや末端の労働者レベルの収入くらいで、町の経済という規模の期待はできません。

・維持管理の負担は考えられている?
道路建設は莫大な費用が掛かるのは誰でも知っていることですが、作った後の維持管理の方が負担だと私は思います、金額ベースでいったら建設かもしれませんが、一度道路を作ってしまうと簡単に廃止できません、否が応でも維持費用が掛かり続けます。これは終わりのない借金です。
さらに悪いことに時間が経つほど負担が減るどころか、改修やら何やらで費用は増えていきます。改修して新品同様になるならマシですが、現実はその場しのぎです。最終的には「新しいの買ったほうが安いですよ」となり、今度は解体や廃棄物処分の費用も更に上乗せされます。
或いは、山や川を壊し、住民を追っ払った方が安いとなれば、新しい道路という希望に満ちたようなコンセプトで建設が始まり、古い道路は森に戻すこともされず投棄され、更に町の汚染が進んでいきます。
今回の道路は国道なので、国か県の支出になるはずです。国の意向一つで、管理や改修の判断がなされます、どんな管理がなされようとリスクを背負うのは地元住民です。

・アクセスが良いことはメリット?
「すぐ来られる」は「すぐ帰れる」と同義です。年間数百万人の観光客と言われますが、本部半島ならほとんど美ら海水族館と今帰仁城。次に水納島、古宇利島、伊江島でしょうか、、、。むしろ「美ら海水族館まで○〇分!」と宣伝できる恩納や読谷あたりのホテルのほうが元気になりそうです。

アクセスが良くなったと喜んで訪れる観光客ほど、SNS映えする知名度の高い観光地だけ効率よく周りたいと望み、ロングステイを望む旅行者ほどアクセスよりも、静かな隠れ家的なスポットを好むのではないでしょうか、、。
結局、主要観光地を訪れたらさっさと引き上げて北谷のお洒落なお店で昼食を、、と考える人が増える気がします。

もし仮に、本部町で宿泊されるお客様が増えても、民泊は規模に限界があるので増益は限定的です。そして規模の大きいホテルは本部町に籍を置く会社ではないので儲けはやはり町外に流れていきます。というか、今となっては民泊も不動産収益物件として内地の方が所有されている、という話は皆さんもよくご存じかと思います。

結局のところ、アクセスが良くなることで、地元のお店同士の競争だけでなく、中南部とも戦わなければなりません。お洒落なカフェはもちろん、人気のおそば屋さんでさえライバルが出現してもおかしくありません。
個人レベルであれば成功例も出てくると思いますが、本部町レベルでの経済的な影響を与えるほどの金額ではないと思います。「君も頑張りなよ」と誰かの尻を叩く成功例としては使えますが、頑張れば誰でも成功できるほど市場原理は甘くありません、そして頑張った挙句失敗しても誰も助けてくれません。

ひとたび市場原理に巻き込まれたら、あとは体力勝負、つまりお金を多く持っているほうが勝つゲームになると思います。規模の大きさで価格競争をしのいで、相手を潰した後に値上げすれば良いだけです。経済は弱肉強食の厳しい世界です、本部町や今帰仁村は経済力という土俵では、中南部のホテルやら那覇、名護に勝てないと思います。
それでも捨て身の勝負までして、経済発展する必要があるのでしょうか?



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